SiCウエハ CMP後の精密洗浄

近年、電気自動車(EV)や5G通信など社会に不可欠となる新たな技術の発展が加速してきています。

それに伴いこれらを構成する重要な部品のひとつである、半導体にも高性能化が求められています。

特に電気自動車や産業機器・鉄道をはじめとする高圧・大容量の電力が必要な分野では、従来の半導体を上回る高耐圧や高効率化が必要とされます。

半導体の材料は以前よりシリコン(Si)が使用されてきましたが、高耐圧や低損失、高効率化などの特性を満たす材料としてはシリコン(Si)と炭素(C)で構成されるSiC(シリコンカーバイド)が適しているとされており、SiCを材料とした半導体は「パワー半導体」と呼ばれ注目を集めています。

SiCはその広いバンドギャップにより、シリコンや窒化ガリウム(GaN)よりも高温に耐えることができ、電気デバイスの性能を向上させ、2023年~2028年の年平均成長率(CAGR)は19%で成長する見込み*とも言われています。

パワー半導体の製造は材料であるSiとCからSiCインゴットを作り、円盤状にスライス、平面研削や
CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの加工を行ってSiCウエハを作成し、ウエハ上に回路を描画するなど複数の工程を経て半導体チップを作成します。

SiCウエハ製造工程イメージ (概略)

SiCウエハの製造工程では如何に効率よくウエハの平坦化を行うかがポイントとなってきますが、CMP工程後のウエハ上にコンタミを残さないということもキーポイントとなってきます。

CMP工程では研磨砥粒と薬液を混ぜたスラリーと呼ばれるものを使用してウエハの研磨を行います。
そのため、CMP後にはウエハ表面に付着しているスラリーの洗浄を行いウエハ表面の汚れを精密に除去する必要があります。

当社では水系精密洗浄のエキスパート・パートナーとともに新たにSiCウエハのCMP後のスラリー洗浄に適した水系洗浄剤・洗浄プロセスを開発しました。

溶剤系洗浄剤を使用しない安全な洗浄プロセスでSiCウエハ製造工程の課題解決に貢献できることを期待します。

ご興味・ご関心のある方はお気兼ねなくお問合せください。

*出典 : Modor Intelligece https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/sic-wafer-market